灯水汲火のオリジナル小説『ビザンティンの風』です。日本の男子高校生が,13世紀のビザンツ帝国もどきの不思議な世界へ半強制的に召喚されてミカエル・パレオロゴスという名前を与えられ,日本の高校生活とビザンツ世界での二重生活を送りながら,滅亡寸前のビザンツ帝国を再建するため,色々な意味で悪戦苦闘させられるという物語です。
『ビザンティンの風』は,必ずしも真面目な歴史系戦記物小説というわけではなく,神聖術という魔法に似たファンタジー要素が出て来たり,個性的なヒロインたちとのラブコメやギャグ要素も入っています。もちろん,『蒼き狼と白き雌鹿Ⅳ』ネタもかなり入っており,同ゲームに登場する歴史上の人物も多数登場しますので,特にこのゲームが好きな方にはお楽しみ頂けるのではないかと思います。
そんな昔のゲームなんて知らない,そもそも世界史について馴染みが無いという方も,完結すればかなりの長編になってしまうということを除けば,ある程度はお楽しみ頂けるのではないかと思います。
なお,この『ビザンティンの風』は,小説投稿サイト『小説家になろう』に投稿した同名の小説を,若干手直しした上で転載したものです。そのため,同サイトの字数制限(小説1本あたりの本文が最大7万字にされているなど)の影響で,第1話が前編と後編に分かれており,それぞれに後書きがあったりするなど若干奇妙な構成になっていますが,その点はご容赦願います。総目次のうち,各編のサブタイトルをクリックして頂くと,本文や後書きなどを読むことが出来ます。
小説の内容は,若干エッチな内容や残虐な表現も含まれていますので,年齢については15歳以上の方推奨としております。
『ビザンティンの風』総目次
第1話 こんな帝国は潰れて当然だ!
前編:駄目過ぎる帝国・ビザンティン
<あらすじ>
高校1年生の男子である主人公は、気が付くと見慣れぬ世界に呼び出されていた。主人公はテオドラと名乗る皇女様に、自分の奴隷になって滅亡寸前になったローマ帝国の再建を手伝えと命じられる。脅迫に逆らえなかった主人公はミカエル・パレオロゴスという名を与えられ、時々は日本に帰してもらえるという条件で、日本との二重生活を送りながら、勝手に『神の遣い』なるものに祭り上げられ、政治や戦争などの課題をこなしながらローマ帝国とやらの再建を目指すことになる。
もっとも、主人公の送られた世界は、ビザンティン帝国などと呼ばれた中世のローマ帝国にある程度近似しているものの、歴史の流れが史実とは若干異なり、神聖術などという魔法に似たような術が使われていた。主人公は傍若無人なテオドラ皇女様、中世さながらのエッチな誘惑やハプニングの数々、キリスト教に基づくというおかしな規律、そして「こんな国滅亡するのがむしろ当然だ」と言いたくなる、ビザンティン帝国の駄目な現実を知らされ、様々な苦悩を強いられることになる。
そんな中、主人公は生きて日本の平和な生活に戻るため、敢えて悪の道を選ぶことを決意する。
<構成>
第1章 邂逅
第2章 初陣
第3章 共同執政官として
第4章 『神の遣い』
第5章 山賊討伐
第6章 預言者イレニオス
第7章 ヴェネツィアとジェノヴァ
第8章 真相
第9章 決意
前編後書き
後編:帝国を救う「大悪人」
<前書き>
前編の続きです。
嫌なビザンティン生活から抜け出すため、敢えて悪になることを決意した主人公。敢えて容赦のない蛮行を繰り返し、最後には重大な危機を迎えます。
なお、物語の性質上、後編には残虐な処刑に関する記述が複数含まれますので、あらかじめご了承ください。
<構成>
第10章 戦争とは
第11章 テオドラの過去
第12章 おしゃれと中身
第13章 魔王
第14章 危機
第15章 決戦を前に
第16章 マイアンドロス河畔の戦い
第17章 終幕
後編後書き
第2話 僕が摂政をやらなければならないの!?
前編 人材登用と神聖術
<前書き>
懸命の努力にもかかわらず、ぎりぎりで統治者としての合格判定を受けてしまい、ビザンティン帝国の統治者としての仕事を続けることになってしまった主人公。内政に力を入れるため新しい人材を登用するほか、帝国復活の切り札となりそうな神聖術を自ら学ぶ一方、主人公へのエッチな誘惑はますますエスカレートしていきます。なお、第2話は主人公の統治2年目を取り扱う話なのですが、登場人物が大幅に増え本編の分量が予定より大幅に増えてしまったので、前編・中編・後編に分けて順次投稿する予定です。
<構成>
第1章 「カイサル」就任
第2章 アンリ・ド・エノー
第3章 ゲオルギオス・アクロポリテス
第4章 神聖術士になろう!
第5章 赤学派とテオドラ
第6章 学士への道
第7章 ソフィア・ブラニア
第8章 現行犯
前編後書き
中編 新しい出会い
<前書き>
恥ずかしいことに、オナニーの現行犯で捕まってしまった主人公。侍従長オフェリアによる刑の執行により、強制的にオナニーを卒業させられてしまい、大人への階段を一歩昇ってしまいます。
その一方で主人公は、多くの改革を進め、多くの人と出会い、ジェノヴァ人の援助を得てロードス島の征服を新たな目標とし、「最も狡猾なギリシア人」となるべく陰険な謀略を繰り返します。
<構成>
第9章 治療
第10章 モンゴル軍の噂
第11章 冬の出来事
第12章 テオドラの招待
第13章 天才少女と初めての海戦
第14章 イレーネの決意
第15章 南へ!
中編後書き
後編 アフロディスアスの決戦
<前書き>
テオドラの邪魔をものともせず、ミラスの無血開城に成功した主人公。しかし、予想もしなかったトルコ軍の大反撃を受け、恐怖に陥ってしまいます。予定以上に長くなってしまった第2話も、ここでようやく完結です。
<構成>
第16章 無血開城
第17章 武闘大会
第18章 緊急事態
第19章 決戦
後編後書き
第3話 聖王の影とフリードリヒ2世
前編 聖王の影
<前書き>
アフロディスアスの戦いで、無事にトルコ軍を破った主人公。ヴェネツィアとも和平が成立し帝国は平和と繁栄を迎えますが、その背景には聖王ルイ9世による十字軍の影が。その一方で、相変わらず主人公は公私共に大忙しです。第3話も分量が多くなりそうなので、前編・中編・後編に分ける予定です。
<構成>
第1章 ヒエラポリスにて
第2章 聖王ルイ9世とフリードリヒ2世
第3章 ロードスの和約
第4章 政務と謀略
第5章 皇女様への性教育
第6章 皇女の指輪
前編後書き
中編 オスマンとの出会い
<前書き>
テオドラと身体が入れ替わってしまった主人公。必死になって皇女様らしく振舞おうとするも、散々驚かされたあげくにいじられてしまいます。その他、トルコ人君侯の説得に自ら赴いて、歴史上因縁のあるエルトゥルルとオスマンの父子に対面したり、ドラゴンの討伐をすることになったり、新都ニュンフェイオンに引っ越しをしたりと、相変わらず忙しい生活を続け、エッチな誘惑も止まりません。
<構成>
第7章 偽皇女様
第8章 子作りの練習
第9章 エルトゥルルとオスマン
第10章 榊原家の1日
第11章 ドラゴン討伐
第12章 新都ニュンフェイオン
中編後書き
後編 フリードリヒ2世に会おう!
<前書き>
船の中でテオドラやイレーネ、パキュメレスと雑談を交わしつつ、パレルモへ向かう主人公。いよいよ、念願のフリードリヒ2世との会談が実現することになります。
<構成>
第13章 日本とモンゴル
第14章 湯川さんとミフネ
第15章 パレルモ滞在
第16章 フリードリヒ2世との対話
第17章 フリードリヒ2世との別れ
後編後書き
登場人物一覧(第3話終了時点まで)
第4話 ヨーロッパ大陸への道
前編 聖王ルイ9世と歴史談話
<前書き>
西ローマ皇帝フリードリヒ2世に続き、フランスの聖王ルイ9世とも対面を果たす主人公。ついに、ヨーロッパ側へ進出する道が開ける一方、帝国の法典や歴史を取りまとめようとしたり、日本世界で湯川さんとの関係を深めようとしたり、今回も主人公は大忙しです。
第4話は、前編と後編の2部構成になる予定です。
<構成>
第1章 ロードスの会談
第2章 キプロス遠征
第3章 コンスタンティノス勲章
第4章 法典整備と歴史
第5章 悲運の『うんこ皇帝』
第6章 世界一の美女になるには?
第7章 シュヴァインと田中税理士
第8章 表彰と処罰
第9章 コンスタンティノスとエウロギア
前編後書き
後編 アドリアヌーポリ陥落
<前書き>
何とかエウロギアを捕らえて降伏させた主人公。ヨーロッパ側のトラキア地方に侵攻し、その中心都市アドリアヌーポリを攻略しようとしますが、神聖術も使えず策略も上手く行かず、結局時間のかかる包囲戦を余儀なくされることに。
一方、ブルガリアでは正統だが弱体な王イヴァン・アセンを敢えて支持した結果、強大なモンゴル帝国を敵に回しかねない外交危機に直面し、その対応に追われることになります。
<構成>
第10章 新しい陣容
第11章 包囲戦
第12章 陣中の娯楽
第13章 七夕の記憶
第14章 第2回武闘大会
第15章 外交戦
第16章 ボリル討伐(省エネモード)
第17章 テオドロス・ブラナスの最期
後編後書き
第5話 拡大する帝国と不安
前編 ミカエル包囲網との戦い
<前書き>
主人公は、皇帝テオドロスの構築した『ミカエル包囲網』への対策に追われる一方で、メイドのマリアと、ついに一線を越えてしまいます。一見楽勝に見える戦いが続く一方で、主人公は新たな悩みを抱えることになります。
<構成>
第1章 皇帝テオドロスの野望
第2章 初体験
第3章 ボゴミール派と正教会
第4章 紙と印刷術
第5章 包囲網切り崩し作戦
第6章 それぞれの活躍
第7章 小競り合い
第8章 トルコの再統一
第9章 忍者と手裏剣
第10章 冬場の戦略
第11章 もう1つの包囲網
前編後書き
後編 『聖なる都』への道
<前書き>すっかり勢いに乗った主人公は、ルイ9世率いる十字軍の敗退、尊敬する皇帝フリードリヒ2世の死など、様々な出来事に見舞われながらも、順調に快進撃を続け、聖なる都の奪回まであと一歩というところまで漕ぎつけます。
しかし、その先には、意外な落とし穴が待っていました。
<構成>
第12章 エンツォ皇子救出作戦
第13章 陸海の作戦
第14章 クロコトニッツァの戦い
第15章 征服作戦
第16章 東奔西走
第17章 女たちの嫉妬
第18章 巨星墜つ
第19章 十字軍の敗者たち
第20章 対ジェノヴァ外交戦
後編後書き
第6話 亡命する『神の遣い』
前編 帝国の凋落
<前書き>
突如として、帝国摂政の位を解任されてしまった主人公。デスポテースの爵位と、私領の保有は認められましたが、新摂政ゲオルギオス・ムザロンの悪政によって、主人公の築いてきたローマ帝国はガタガタになってしまいます。
主人公やその家臣だった人たちも、様々な危難に見舞われ、主人公は家臣たちから何度も、反乱を起こして自ら帝位に就くよう求められますが、主人公はどうしてもその気になれず、あれこれと悩み迷走を続けてしまいます。
<構成>
第1章 解任の事情と引継ぎ
第2章 ムザロンの暴政
第3章 神明裁判
第4章 女たちの反応
第5章 バシレイオス2世の教訓
第6章 崩れる帝国と新国家構想
第7章 テオドラ被害者の会
第8章 ヴァタツェス家の事情
第9章 初めての敗戦
前編後書き
後編 流浪する『神の遣い』
<前書き>
敗戦で多くの元部下たちを失い、更に愛するマリアまで殺されてしまったと聞かされ、絶望に打ちひしがれる主人公。
テオドラとイレーネを連れて、遠くエジプトの地へ亡命することになりますが、テオドラとイレーネによる主人公争奪戦が起きてしまったり、エジプトではどこかで見たような邪神と遭遇してしまったり、主人公の中島みゆき好きが高じるあまり、中島みゆきの歌で船が難破してしまったり、不思議なホテルを呼び出してしまったりなど、結構波乱万丈な亡命生活を送ることになります。
<構成>
第10章 逃避行
第11章 テオドラ対イレーネ
第12章 難破船
第13章 ミスルの地にて
第14章 ニャルラトホテプとピラミッド
第15章 シャジャル=アッ・ドゥッル
第16章 湯川さんのお弁当
第17章 ミラージュ・ホテル
第18章 水の線路
後編後書き
第7話 モンゴル軍との対決
前編 「サムライ」と「アサシン」
<前書き>
テオドラの思い付きが原因で、主人公は鎌倉時代の日本に行き、日本人の武士たちを仲間に加えることになってしまいます。そして、アサシン部隊も配下に加わり、主人公はささやかな領地を手に入れることになりますが、一方でシリアにはモンゴルの大軍が迫り、主人公は苦しい戦いを余儀なくされることになります。
<構成>
第1章 『サムライ』が見たい!
第2章 鎌倉の町と三浦氏
第3章 集まる若武者たち
第4章 アッコンでの出会い
第5章 進まない関係
第6章 カエサリア・マリティマにて
第7章 モンゴル恐怖症再び
第8章 アル=ブンドクダーリー
前編後書き
後編 アイン・ジャールートの戦い
<前書き>
主人公がカエサリアを手中にした一方で、ついにモンゴル軍の先遣隊がやってきてしまいます。主人公は、スルタン・クトゥズの許でいまいちまとまりに欠けているマムルーク軍に、部隊を率いてその一員に加わり、アイン=ジャールートでモンゴル軍と、決死の戦いを繰り広げることになります。
<構成>
第9章 スルタン・クトゥズ
第10章 決戦前夜
第11章 湯川さん襲来
第12章 アイン・ジャールートの戦い
第13章 英雄バイバルスの誕生
第14章 偽りの使者
後編後書き
<特別編>紺碧のアルカディア』と『ビザンティンの風』
本作と時代背景の近いNHKラジオドラマ『紺碧のアルカディア』が、2019年10月21日から放送されましたので、本作との関係等についてコメントします。物語の本筋とは特に関係ありませんので、特に興味の無い方は読み飛ばして頂いて結構です。
第8話 摂政復帰
前編 囚われた『神の遣い』
<前書き>
ちょっとした油断が原因で、海賊たちに囚われの身となってしまった主人公たち。逃げる方法もなく、味方に助けを求める方法も無く絶体絶命という状況の中、まさかのきっかけで道が開けることになります。
<構成>
第1章 海賊に囚われたら、どうする?
第2章 海賊たちの拠点・ダーネ
第3章 イレーネの秘密
第4章 湯川さんの正体
第5章 語られる真実(?)
第6章 救出を待つ日々
前編後書き
後編 揺籃期の終わり
<前書き>
海賊たちの手から救出される主人公を待っていたのは、目が回るくらい忙しいビザンティン帝国の政務と、女の子たちに振り回される日々でした。
この第8話後編で、『ビザンティンの風』の第1部は完結となります。
<構成>
第7章 百倍返し
第8章 政権奪還
第9章 政務再開
第10章 ブラナス家の再興
第11章 君主のお仕事
第12章 マリッジ・ブルー
第13章 七夕の再会
後編後書き